エナがauサポーとりになったワケ
~エナはじまりの物語~
第1話
エナは、木々がたくさん生い茂り、冬には雪がたくさん積もる地域にある、1本の大きな木の洞の中で生まれました。
家族は、両親と年の離れたお兄さんがふたり。
体が小さく、少々危なっかしいところがあるエナは、みんなから愛され、それはそれは大切に育てられました。
エナの家の近くには、郵便配達を生業とする、白鳩の家族が住んでいました。自慢の一人息子は、エナよりも少しお兄さんで、配達の合間に、よく一緒に遊んでくれました。
ある日、エナは白鳩のお兄さんに尋ねました。
「お手紙を運ぶとき、いつも楽しそうなのはどうして?」
白鳩のお兄さんは答えました。
「僕は、手紙を運ぶことで、誰かの想いを届けているんだ。手紙を届けた相手の驚いた顔や、嬉しそうな笑顔。そういう素晴らしい瞬間に立ち会えるから、僕はこの仕事が大好きで、楽しいんだ。」
白鳩のお兄さんの話を聞いて、エナは「素敵だな」と思いました。そして、いつか自分も白鳩のお兄さんのような仕事がしたい!と思うようになったのです。
それからしばらくして、白鳩の一家は事業拡大のため、東京へと引っ越していきました。
エナはとても悲しみましたが、「いつかまた会えるよ」という白鳩のお兄さんの言葉を信じて、ぐっと涙をこらえました。
それから数年。少しだけ大きくなったエナは、夢を叶えるため、家族の心配をおしきって、東京へと向かうのでした。
第2話
東京にたどりついたエナは、至る所で小さな薄い箱をじっと見つめている人がいることに気づきました。
「あの…それは何ですか?」
エナは、近くにいた初老の男性に勇気を出して聞いてみました。
「これかい?これは“スマホ”だよ。ほら、ちょうど娘から孫の動画が届いたんだ!」
差し出された箱をのぞき込むと、小さな男の子が満面の笑みで踊っているのが見えました。
「私もまだ使い始めたばっかりでね、これがなかなか難しくて。本当はもっと色んなことができるらしいんだけど。でもまあ、こうやって遠くに住んでいる孫の様子が見れるだけでも嬉しいよ。」
男性は微笑みました。
その笑顔を見て、エナはひらめきました。
(人びとに笑顔を届ける小さな薄い箱――“スマホ”に関わるお仕事をしたい。そして、“スマホ”を使う人びとのお手伝いをして、もっともっと笑顔を増やしたい…。)
男性にお礼を伝え、再び街の中を歩き始めると、1枚のポスターがエナの目に飛び込んできました。
【au お客さまサポート スタッフ募集!】
よく見ると、先ほど見せてもらった“スマホ”のイラストも描かれています。
(もしかしたら、ここなら夢がかなえられるかも…??)
そして、エナはポスターが貼られていた、「KDDI」と書かれたレンガ造りのビルの中へと歩き始めるのでした。
第3話
「KDDI」と書かれたビルの中へ入り、キョロキョロとあたりを見回していると、一人の女性が声をかけてきました。
「あら、可愛いトリちゃん!何かお困りかしら?」
「貼ってあったポスターを見て…」
エナが答えると、女性は「ああ!」と弾けるような笑顔になりました。
「【au お客さまサポート スタッフ募集】のポスターを見てくれたのね。それなら早速、“めんせつ”をしに行きましょう!」
女性はエナをさっと抱き上げて、来館受付を済ませ、エレベーターに乗り込みました。
(“めんせつ”って何だろう…?麺?)
エレベーターを降り、向かった先は「面接会場」というボードが掲げられた部屋でした。
女性は、エナに椅子を勧めると、そのままエナの向かいの席に座りました。
「じゃあ、どうしてお客さまサポートのスタッフに応募してくれたのか、教えてくれるかしら?」
(このひとが、“めんせつ”をするひとだったのかぁ!)
エナは少々びっくりしながらも、子どもの頃から、白鳩のお兄さんのような「想いを届けて誰かを笑顔にする仕事」に憧れていたことや、スマホを見て笑顔になっていた初老の男性に会った話をしました。
「とても素敵ね。ぜひ私たちと一緒に、“見習いメッセンジャー”として、想いを届けるお手伝いをお願いします。…えーっと……あらやだ、ごめんなさい、私ったら名前を聞いてなかったわ。」
「エナです!」
「エナちゃんね。エナちゃんはトリだから…そうね、役職名は、“auサポーとり エナ”でどう?」
「はい!おねがいします!」
こうして、エナは「auサポーとり エナ」として働くことになったのでした。